■紫外線硬化塗料
1960年代後半に木工用塗料として紫外線硬化塗料が使用され始めました。専用の機器でUV(紫外線)を照射すると、化学変化により瞬時に硬化する塗料。時間のかかる乾燥工程を必要としないため、さまざまな工業製品の製造ラインにおける塗装工程で使用されている塗料です。
1970年代以後、アクリレートモノマー、アクリレートオリゴマー、 不飽和樹脂が開発され、さらにUV照射装置の進歩により、UV硬化技術は著しく 進展いたしました。 現在は塗料、インキ、接着剤、電子材料など多くの分野で 利用されており、UV硬化塗料の分野では木工、PVCフロアー、プラスチック、金属、缶等、多くの用途に使用されています。
UV硬化塗料は無溶剤化が可能な塗料であり、大気汚染がなく環境に対して極めて良好な硬化乾燥システムです。硬化時間が秒単位と短いため、設備がコンパクトになり、省スペースで生産性が向上します。また、光エネルギーを利用するため熱がほとんどかからず、硬化乾燥が省エネルギータイプです。このためVOC、炭酸ガス放出の問題の面から大きく注目されている塗料です。
※UV硬化塗料を使用した製品
携帯電話 音響製品 家電製品 電子部品 ラベル印刷 家具製品
■UV硬化塗料の特徴
UV硬化塗料の特徴として次のような特徴が上げられる。
①室温で塗料が硬化乾燥する。
・感熱素材に適用が可能
・硬化乾燥後の被建物のハンドリングが容易
・省エネルギー
②硬化乾燥時間が非常に短い
・塗料のタレが少ない
・素材への吸い込みが少ない
③無溶剤型塗料が出来る(VOC=0)
④肉持ち感に優れる
⑤高光沢で、高硬度を有する塗膜性能が得られる